アパレルOEMでの服作りに欠かせない指標が「染色堅牢度」です。本記事では、染色堅牢度の意味やOEM発注時に注意したいポイントを解説します。
染色堅牢度とは、布などの繊維製品において、染められた色がどのくらい変色や退色、あるいは他のものへ色移りしにくいかを示す度合いのことです。私たちが日常生活で服を着用したり洗濯したりする際には、太陽の光や汗、摩擦などさまざまな影響を受けます。このような外部からの刺激に対して、本来の色合いをどの程度保てるかが衣服の品質を左右する大きな要因となります。アパレルOEMを通じてオリジナル製品を製造する際は、デザインだけでなく、色が長持ちするかどうかの基準となるこの数値をしっかり把握しておくことが大切です。
もし染色堅牢度が不十分な製品を市場に出してしまうと、消費者からの信頼低下につながる恐れがあります。購入した服を初回洗濯しただけで色が落ちてしまったり、汗をかいた際に白いバッグや別の衣服へ色が移ってしまったりすると、クレームの原因になりかねません。アパレル事業において、品質不良による返品や交換の対応はコストがかかるだけでなく、ブランドイメージの損失というダメージをもたらすと考えられます。そのため、OEM生産を委託する段階で基準を満たしているかを確認し、トラブルを未然に防ぐ姿勢が求められるでしょう。
衣服の色落ちを防ぐためには、JIS規格やISO試験法などの公的な基準に基づく検査によって品質を確認することが一般的です。代表的な検査項目として、家庭での水洗いを想定した洗濯堅牢度や、着用時のすれによる色移りを評価する摩擦堅牢度が挙げられます。さらに、人間の汗に対する耐久性を調べる汗堅牢度、直射日光などの光による退色を測る耐光堅牢度なども重要な指標となっています。これらの試験を複合的に行うことで、日常使用を想定した一定条件下での耐久性を客観的なデータとして評価できるようになるのです。
各検査項目の結果は、一般的に数字を用いた「等級」として表されます。日本の品質基準であるJIS規格などにおいて、洗濯や摩擦、汗などの多くは1級から5級までの段階で評価され、数字が大きいほど色落ちや色移りがしにくいことを示しているのです。
一方で、耐光堅牢度については1級から8級で評価されます。多くのアパレル製品では4級程度以上を目標とするケースが多いものの、デニムや濃色製品、製品染めなどのアイテムにおいては、必ずしも全項目で高い等級を求めない場合もあります。製造するアイテムの特性やブランドの基準に合わせて、適切な数値をOEMメーカーとすり合わせておくことが重要です。
参照元:日本繊維製品品質技術センター(https://www.qtec.or.jp/search/test/kenro/kenro01/)
参照元:日本繊維製品品質技術センター(https://www.qtec.or.jp/search/test/kenro/kenro02/)
希望するデザインを実現しつつ十分な染色堅牢度を保つためには、生地と染料の組み合わせに気を配る必要があります。天然繊維である綿には反応染料、合成繊維であるポリエステルには分散染料、ナイロンには酸性染料など、素材ごとに適した染料や染色方法は異なっているのです。生地の特性に合わない染め方をしてしまうと、どれだけ丁寧な工程を経ても十分な等級が得られない場合が少なくありません。OEMでの企画がスタートした初期段階から、使用したい生地の色落ちリスクについて専門知識を持つ生産元へ相談し、サンプル作成を通じて実際の数値を確かめておくことをおすすめします。
安定した品質の商品を作り続けるためには、パートナーとなるOEM企業の管理体制も欠かせない確認ポイントといえます。生産工場自体が染色に関する深い知見を持ち、第三者機関による品質検査を標準的なフローとして取り入れている企業であれば安心感が高まるはずです。コストや納期の早さだけで依頼先を決めてしまうと、後になって色落ちトラブルなどの想定外の事態に直面するリスクが否めません。過去の製造実績や品質基準の共有方法などを事前にしっかりとヒアリングし、信頼できる生産体制を持つ会社を見つけることがビジネスを円滑に進める鍵となるでしょう。
アパレルOEMにおいて、染色堅牢度は製品の品質とブランドの信頼を守るための大切な基準です。摩擦や洗濯、汗などによる色落ちを防ぐためには、それぞれの等級の正しい見方を理解し、企画段階から適切な生地と染料を選ぶ必要があります。また、品質管理に力を入れているOEM企業を選ぶことで、市場に出した後のトラブルを未然に防ぐことが期待できます。美しい色合いを長く保てる魅力的なアイテムを消費者に届けるためにも、事前の確認を徹底することが大切です。
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