SKUをうまく活用をすれば、発注だけでなく、陳列や品揃えの管理も円滑におこなうことができます。SKU管理の考え方を理解し、在庫・生産管理の効率化を目指していきましょう。
SKUとは、Stock=在庫 Keeping=保管 Unit=単位の頭文字をとったもので、全く同じ商品として提供できるものを単位にしています。
例えば、白いシャツと黒いシャツでMサイズとLサイズの在庫を持っているとします。Mの白いシャツで1SKUなので、Mサイズの色違い(白・黒)、Lサイズの色違い(白・黒)の計4種類のシャツがある場合、4SKUの在庫があることになります。
種類という言葉で管理していると、サイズと色のどちらで種類分けをしているのかが分かりにくくなることがあります。そのような場合は、SKUという単位を使うと管理しやすくなります。
多種多様な色・デザイン・サイズを管理している、アパレル業界のSKU管理をご紹介します。
実際のシャツは、色やサイズだけが異なるわけではありません。なので、SKUを区別する要素には襟や袖の形状・キャラクターの有無といった特徴も考慮する必要があります。数字だけでなくアルファベットも使うことで、現場スタッフがわかりやすいSKU番号を作れます。
SKU管理がしっかりとできていることで有名なのはZOZO。同社が管理するネットショップのZOZOTOWNでは、さまざまなアパレル商品が取り扱われています。2022年9月末時点で、90万以上の商品があり、1日平均で2,600以上の新規商品が登録されているそうです。そのため、ZOZOTOWNでは膨大な数の在庫管理が必要ですが、商品を登録する際のSKU管理がしっかりとされているため、大きな問題なく業務が進行しています。
JANコードは、「どの事業者の、どの商品か」を表す国際的な商品識別コードです。日頃、私たちがみかけるバーコードでも活用されています。JANコードは、多くの国で使用されているので、SKUの番号をJANコードと一緒にして管理をしているところもあります。
SKU管理では、シャツ1つをとっても、色やサイズ別での在庫状況がわかります。「陳列されている白いシャツが少ないが、どのサイズが少ないのか。」「倉庫に在庫は残っているのか。」など、人の目で確認するには時間がかかるようなことも、SKU管理に対応した管理システムがあれば、データですぐに把握できます。適切な在庫管理ができるので、過剰発注や在庫切れを防ぐことができるのが大きなメリットです。
SKUで商品が管理されていれば、機械的な発注ができます。
例えば、白いシャツと黒いシャツでMサイズとLサイズの在庫を持っているとします。シャツは「SH」、Mサイズは「M」、Lサイズは「L」、白色は「W」・黒色は「B」でSKU管理の登録をしたとします。このコードを使うことで、「Mサイズ(M)の白い(W)シャツ(SH)は、「MWSH」と表現できるようになり、発注元と発注先どちらも迷いなく受発注ができます。
また、在庫管理担当は、SKUで把握している在庫データをもとに「MWSH:5点」「LBSH:2点」といった具合に、瞬時に発注をかけることが可能。さらに、「2022年・春モデル」「コラボキャラクター入り」など、より細かな条件を設定する方が、SKU管理の強みを発揮できます。
商品にSKUを割り振ることは、陳列のしやすさにもつながります。
例えば、あるシャツとボトムスを扱っていて、サイズはSMLの3サイズで色は8種類あるとします。2(シャツかボトムス)×3(サイズ)×8(色の種類)=48商品が在庫にあることが手元にあることが理解できます。それぞれが在庫としていくつ保存されているかがわかると、陳列の際に「シャツはここ、ボトムスはここ、サイズは小さいもの手前に、8色はこの順番で並べる」といったイメージが具体的にできるようになります。
扱う商品の種類が多いほど、SKUを設定して記号化し、客観的に判断することが大切な要素だと覚えておきましょう。
仮に、2(シャツかボトムス)×3(サイズ)×8(色の種類)=48商品があるお店で、新しくS・M・Lサイズのワンピースを取り入れることになったとします。もともとSKU管理で、サイズ展開や色の種類が登録されているので、ワンピースのSKU用コードを追加登録するだけで、SKU管理が可能になります。
ワンピースの色の展開が3色とすれば、これまでの48商品に加えて、1(ワンピース)×3(サイズ)×3(色の種類)=9商品の登録が瞬時に完了し、通常通りの在庫管理の手続きをしていくことができます。
扱っている商品範囲をしっかり理解し、統一ルールを作成しましょう。
SKUの番号はJANコードとは違い、独自でつけることができます。なので、担当者が変わるたびにコードの付け方が変わると、在庫管理の意味をなしません。「商品によって、つける番号が存在しない」といった抜けにつながらないよう、全商品を対象としましょう。最終的には設定した内容を社内で共有することが大切。意思統一を図ることで、在庫管理が煩雑になるのを防げます。
「番号の設定はすぐにできた」という場合でも、POSと連動したシステムを導入するのにはコストがかかるもの。アパレルに特化したシステムもあるので、複数の業者から見積もりをとり、合うところを見つけていくことが大切です。
ツールによっては、リアルタイムで売上データや取引履歴、顧客データのチェックができるシステムがあります。導入後の運用は必ずしもデスク上でしか行わないわけではありません。そういった点も想定してシステムを選ぶようにしましょう。
FKUとは、Face=向かい合う Keeping=保管 Unit=単位の略です。実際に店頭に展開する単位のことで、Faceには顔という意味のほかに、表面や向かい合うといった意味があります。
店舗に出ない在庫を含めた管理がSKU管理、店舗で顧客が目にする商品がFKUで管理されています。
ここでは、8色展開のS・M・Lサイズシャツを例に解説します。
店頭に陳列するのは3色のTシャツだけにする場合、FKUは次のようになります。
この場合、在庫管理としては24商品(SKU)あるけれども、実際の店舗運用では9商品(FKU)となります。
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