ここでは、アパレルOEM製造をする際の費用や、原価の考え方についてまとめています。
2011年、アメリカのアパレルブランド「Everlane」がWEBサイト上で商品の原価率を公開。これまで公にされることがなかったアパレル製造の費用内訳が開示され、業界に衝撃が走りました。
その情報を見ると、Everlaneのスリムフィットジーンズの場合の原価は…
となっており、1着68ドルのスリムフィットジーンズの原価率は約45%となています。
内訳については、材料費約22%、部品代約3%、人件費約11%、経費約6%、輸送費約3%ということが分かります。もちろん製造するアイテムやロット数、製造場所によってもコスト比率は異なりますが「何にいくらの費用がかかるか」が見えた事例でした。
「原価率が高いほうが商品クオリティが高い」という考えもありましたが、原価=材料費ではないため、原価率の高さと品質は必ずしも比例しません。製造効率が悪く、余計なコストが発生した場合でも原価率は高くなります。それだけに、コスト効率やコスト配分に長けたOEM企業をおさえることが重要と言えるでしょう。
2018年6月に経済産業省製造産業局生活製品課が発表した「繊維産業の課題と経済産業省の取組」では、良質な商品やサービスをその価値に見合った適正価格で提供することが、消費者にとっても事業者にとっても、重要であると提示しています。
アパレル業界だけでなく、エシカル消費が注視されている昨今。アパレルOEM製造においても適正価格やコストとは何かを考えるのはもちろん、製品の生産背景にまで配慮する消費者意識を勘案することが重要になってくると言えるでしょう。
アパレルOEMメーカーは依頼主からの発注を受けて、製造の川上に該当する繊維メーカー・繊維商社などから、アパレル生産に必要な資材を購入します。この買い付けについては国内だけでなく海外で行うこともあり、その場合は仕入れ交渉や保管コストによっても費用は変化。工程が複雑だったり、在庫がかさむほど費用は高くなる傾向があります。
川中のアパレルOEMメーカーでは生地の裁断・縫製・仕上げといった工程を担いますが、この際に発生するのはボディ代・版代・加工代。生産代金は、ボディ代×枚数×加工代に版代を加えたものとなります。ODMの場合は企画・デザイン料がプラスされるため、その分コストが加算されます。
百貨店やセレクトショップといった川下の小売業では、ショップの運営経費が必要です。自社店舗以外であればテナント料、スタッフの人件費・光熱費・広告費用などがかかってきます。
ネットショップの場合は人件費は少なくて済みますが、システム利用料・管理料などがかかってくることがあります。
物販強化、販促、ブランディングといった、企業がアパレルOEMを活用する目的別に、おすすめのOEMメーカーをご紹介しています。ぜひチェックして、メーカー選びの参考にしてください。