アパレルOEMでの製品生産において、品質を一定に保つことは非常に重要です。本記事では、品質管理の国際的な指標である「AQL基準」の仕組みや、OEM生産に導入するメリット、注意点をわかりやすく解説します。
AQLとは「Acceptable Quality Level」の頭文字をとった言葉であり、日本語では合格品質水準と訳されます。製品を生産する際に、どの程度の不良品の混入であれば許容できるかを示す国際的な基準値のことです。ロットと呼ばれる生産単位の中から一定数を抜き取って検査を行い、あらかじめ設定したAQL値の範囲内に不良品数が収まっていれば、そのロット全体を合格と判定する仕組みになっています。品質管理の世界において広く認知されている考え方と言えるでしょう。
アパレル製品のOEM生産では、工場で一度に大量の衣類が縫製されます。これらすべての製品を一つひとつ細部まで確認する全数検査を実施しようとすると、莫大な時間と人件費がかかってしまうでしょう。そこで、現実的なコストと納期の範囲内で品質を担保する手段として、AQLに基づく抜き取り検査が非常に重要になってきます。国際的な基準を用いることで、海外の縫製工場とも品質に関する認識のズレを防ぎやすくなり、スムーズなやり取りが期待できます。
実際にAQL基準を用いた抜き取り検査がどのように進められるのかを解説します。まず、生産されたロットの総数に対して、どれくらいの数をサンプルとして抜き取るかを専用の表を使って決定します。ランダムに抽出されたサンプルに対して、縫製のほつれや汚れ、寸法のズレなどがないかを検品担当者がチェックしていく手順です。その検査結果をもとに、見つかった不良品の数が許容範囲内であればロット全体を出荷可能とし、基準を超えていれば不合格として再検査や修理などの対応を検討することになります。
AQLを用いた検査では、国際規格であるISO基準などに沿って作成されたサンプリング表を活用するのが一般的です。この表には、生産ロットの総数と設定するAQL値に応じて、抜き取るべきサンプル数や合格となる不良品の上限数が記載されています。AQL値は数字が小さくなるほど合格基準が厳しくなり、製品のターゲット層や価格帯に合わせて適切な数値をブランド側と工場側で協議して設定します。高級ブランドであれば厳しい数値を設定し、低価格帯の量産品であればある程度緩和した数値を採用するといった調整が行われる傾向にあります。
検品で見つかった不良は、その深刻度によって三つのレベルに分類して評価されます。一つ目は致命的欠陥と呼ばれ、着用者に危害を及ぼす可能性がある針の混入などが該当し、これらは通常ゼロであることが求められる項目です。二つ目は重大欠陥で、目立つ部分の破れや汚れなど、商品としての価値を大きく損ない、消費者が購入を控えるレベルの不良を指します。三つ目は軽微欠陥であり、裏地のわずかな縫い目のズレなど、実用上は問題がなく、消費者が気づきにくい程度の不良として扱われることが多いでしょう。
アパレルOEMにおいてAQL基準を導入する利点は、品質維持と生産効率のバランスを適切に保てる点にあります。全品をくまなく検査する労力を省きつつ、統計学に基づいた確率で一定の品質を担保できるため、検品にかかるコストを適正に抑えることが可能です。これにより、生産から納品までのリードタイムも短縮されやすくなり、設定したスケジュール通りに商品を店頭へ並べるための助けとなるでしょう。過剰な品質要求による製造コストの増加を防ぐ効果も期待できます。
一方で、AQL基準はあくまで抜き取り検査であるため、市場に不良品が流出するリスクを完全にゼロにできるわけではない点に注意が必要です。設定した合格基準を満たしていたとしても、ロットの中に少数の不良品が含まれている可能性は残ります。そのため、ブランドの信用に関わるような致命的な不良に対しては、AQL検査とは別に金属探知機を用いた全数検針を併用するなどの対策が欠かせません。製品の特性やブランドの品質基準に合わせて、柔軟な検査体制を構築することが求められます。
AQLは、限られた時間と予算内で製品の品質を一定に保つための合理的な手法と言えます。検査のプロセスを正しく把握し、自社に合った基準値を設定することがスムーズな生産の第一歩となるでしょう。品質管理を徹底するためにも、AQL基準を適切に運用でき、円滑なコミュニケーションが取れる信頼性の高い工場を選ぶことが大切です。
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